エキストラが30人ほど待つなか、ロケバスから日傘を差してゆっくりと降りてきたのは、女優の新垣結衣(34)だ。10月初旬の昼過ぎ、横浜市内のとある住宅地で映画『正欲』のロケが行われていた。表情筋のストレッチなのか、新垣はカメラが回る直前、頬をぷくっと膨らませる。
「『正欲』は『桐島、部活やめるってよ』『何者』などで知られる朝井リョウが、デビュー10周年の節目に書いた話題作。生きる原動力が”当たり前”とは違う人々を描きます。新垣さんが演じるのは、”特殊な性癖”を隠して生きるショッピングモールの従業員です」(スポーツ紙記者)
本作は、彼女が所属事務所からフリーになって最初に選んだ仕事とみられ、”ガッキー”のイメージにはない異色の役柄で話題を呼んだ。メディア文化評論家の碓井(うすい)広義氏は次のように語る。
「ファンの新垣さんに対するイメージは『逃げ恥』の明るくて親しみやすいヒロイン・みくりです。だから、『鎌倉殿』の八重の落ちついた演技に対し、どこか物足りなく感じる人も多かったと思います。みくりがそれだけ彼女にハマり役だったということでしょう。女優として次のステップに進むため、意識的に今回の役に挑戦したのではないでしょうか」
これまで何度も不仲説が浮上していた夫・星野源(41)との仲も最近は順調な様子。彼も新垣の新たな挑戦を支えてくれるに違いない。