日本が12月に地震警報訓練を実施、その理由は?

内閣府は8日、北海道と東北沖の日本海溝と千島海溝の周辺でマグニチュード(M)7以上の地震が発生した場合、さらに大きな「後発地震」が起こる恐れがあるとして、北海道から千葉県までの7道県の住民らに注意を促す取り組みを12月16日から始めることを明らかにした。「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表することで、すぐに避難できる準備をするなどの日ごろの備えを再確認するよう、約1週間にわたり呼び掛ける。

この日発表した「注意情報」に関するガイドライン(指針)によると、内閣府は、日本海溝・千島海溝を震源とする地震で震度6弱以上や高さ3メートル以上の津波が想定されるなどの7道県182市町村を「防災対応を取るべき地域」とする。M7以上の地震が発生してから約2時間後に内閣府と気象庁が合同の記者会見で注意情報を発表し、182市町村全てに対して、住民らに備えの再確認を呼び掛けたり、避難場所を点検したりするといった対策を取るよう求める。住民らには防災行政無線や報道、SNSなどを通して注意を促す。

内閣府は、これまでの地震の発生状況から、注意情報の発表頻度について、2年に1回程度とみている。ただ、過去100年の世界各地の事例を分析すると、M7以上の地震があってから1週間以内に大きな後発地震が発生する可能性は100回に1回程度。このため、指針は後発地震について「必ず発生するものではない」とし、後発地震が起こる前の避難(事前避難)は求めていない。

2011年3月にM9・0を観測した東日本大震災は、発生の2日前にM7・3の「前震」が発生している。日本海溝と千島海溝の周辺では、このケースを含め、過去に大きな後発地震が発生した例がある。内閣府は注意情報の発表により、最悪の場合で約19万9000人が死亡すると想定される巨大地震の被害を軽減したい考えだ。

指針は注意情報が発表された場合、高齢者など避難に時間を要する「要配慮者」が利用する施設に、あらかじめ策定している円滑な避難のための計画(避難確保計画)を再確認するよう、市町村が呼び掛けることを明記した。在宅の要配慮者を迅速に避難させる体制について、消防団や自主防災組織などと市町村が再確認することも盛り込んだ。

住民に対しては、日ごろの備えを確認することを求める。具体的には、後発地震が起きてもすぐに避難できる服装で就寝したり、防寒具など積雪寒冷に備えた装備を手元に置いたり、水や食料などの備蓄を確認したりするといった対策を示した。

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