榮倉奈々さんが思い描く理想の夫婦の関係とは?

榮倉奈々が出演するAmazonOriginalドラマ『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』が10月21日からPrimeVideoで世界同時独占配信される。本作は、2019年にアメリカで制作され話題を呼んだオムニバスドラマ「モダンラブ」の舞台を東京に移して描く。映画界の第一線で活躍する監督たちと俳優陣が集結し、オムニバス形式の七つの物語で構成される。榮倉が出演するのは、そのエピソード2となる「私が既婚者と寝て学んだこと」が、マッチングアプリでの出会った見知らぬ男性たちとその場限りの関係を結んでいくうちに、自分でも気付かなかった本心に向き合っていく姿を描く。

-多様な価値観や愛を描いた本作に出演を決めたときの思いを聞かせてください。

もともとアメリカで制作された「モダンラブ」のファンでした。なので、その作品の日本版だということと、(エピソード2を)廣木隆一監督が撮影されるということでぜひ出演したいと思いました。この作品をご覧になって、皆さんがどんな感想を持つのか、とても気になっています。感想を聞ける機会があればいいなと思いながら過ごしています。

-廣木監督とは、映画『娚の一生』など、多数の作品で一緒に仕事をしていますね。

監督とは、19歳の頃に初めてお仕事させていただいて、それからはオリンピックのように数年に一回、定期的にご一緒させていただいています。声を掛けていただけることはとてもうれしいのですが、初めてご一緒したときは、怖くて仕方ありませんでした(笑)。監督は、(撮影現場で)役者に「今のせりふ、どんな気持ちで言ったの? 何でそこに立っているの?」と問いかけるときがあって…。それを怖いと思っていたのですが、だんだんと、それは言葉がストレートで、ストイックなんだと気付いてからは、とても愛情深い方だと感じるようになりました。今回もどんな気持ちなのかは聞かれましたが、今はもうはっきりと伝えられるようになりました(笑)。

-加奈を演じる上で意識したことは?

加奈さんはとても理論的で、思考の道筋を作るのが得意な人という印象を受けたので、そういう人物に映ったらと思って演じました。私自身も理論で頭の中を整理するのが好きなのですが、逆にそれに苦しめられることもあって、「こうした方がいい。こうなるべきだ」という思いにとらわれてしまうことがあります。なので、そういう癖があることを理解して、本当の気持ちがどこにあるのかを自分に問いただす訓練や鍛錬が必要だと思っています。加奈さんも、この物語の中で自分の気持ちはどこにあるのかという“旅”に出ていると感じました。(加奈は)とても好奇心旺盛ですし、ポジティブで、前向きな気持ちを感じられたので、活力ある女性と感じました。

-加奈を演じたことで、榮倉さんの価値観に変化はありましたか。

この作品は、ニューヨークタイムズの人気コラム「モダンラブ」に投稿された一般読者の実体験を基に作られているのですが、(エピソード2の基になった)その投稿を読むと、時間の流れを一緒に経験することが、人と人とのつながりになるんだと勉強になりました。

-では、視聴者にはこの作品を通してどんなことを伝えたいですか。

白黒をはっきりつけなくても、グレーでもいいのではないか。他人を認めるという懐の深さを持った方が人生は楽しいのではないかと、私は感じたので、見てくださる方にもそれが伝わるといいなとは思います。この作品だけでなく、「モダンラブ」全体に言えることですが、自分の中にある多様性を認めることが、自分自身の救いにもなると思います。

そうした多様性を認めた上で、榮倉さん自身が考える理想の愛や夫婦の在り方とは?

多様性ではないかもしれないですが、今この瞬間に話し合っても答えが出ないものを静かに見届けて、10年後に「あのときのあれってこういうことだったんだね」って、一緒に答え合わせができる関係がすてきだと思います。話し合いももちろん大事ですが、時間も大事。それは夫婦だけでなく、友人関係でも同じだと思います。

-その10年後の答え合わせをするために、関係を継続するにはどんなことが必要だと思いますか。

難しいですよね…。背伸びをしないこととか、相手に対しても、自分に対しても無理をしないこととかいろいろとあると思いますが、私は感謝の気持ちだけは常に伝えていこうと思いました。それだけは、その瞬間に伝え合うことが大切だと思っています。

-結婚や愛についてこの作品に出演したことで考える機会も多かったのでは?

そうですね。スタッフの皆さんにも、家族にもたくさん協力していただきましたし、とても感謝しています。一緒の時間を長く過ごせる人は、家族も友達も大事だということを実感しました。今回の撮影では、10年前から知っているカメラマンさんや音声さんなど、スタッフの方々もよく知る方が多かったので、それもまた幸せだと感じました。頻繁に会うわけではないけれど、同じ思い出を共有していて、いつも助けてくれる方々です。そうした時間を過ごすことができているのは“愛”だと思いました。

 

 

 

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