日本のメディアは、梨泰院(イテウォン)スタンプラリーで151人が死亡したと報道!? 助けを求める叫び声はとても大きく、画面を通して絶望感が伝わってくるようです

29日夜に起きたソウル梨泰院でのハロウィン将棋倒し事故。

事故現場はそもそもどういった場所なのか。

ふだんから「人通りの多い狭い路地」から「大通りに抜け出す」空間だった。

梨泰院はもともと米軍基地近くの繁華街として発展した場所。事件現場近くの裏通りは「世界飲食文化通り」と呼ばれ、各国料理のレストランが軒を連ねる。異国情緒も味わえる場所としても知られてきた。ハロウィンではなくとも「なにか韓国とは違う雰囲気を味わえるかも」という期待を抱かせる場所なのだ。

筆者自身もここを今年9月に歩いてみた。通常の土日だったが、密集した場所に人が混雑して圧迫感を感じるほどだった。「抜け出したい」と強く感じ、事故現場の一本先にある小道から大通りに出た。

当日の状況はどうだったのか。

現場に1時間前までいたという現地留学生(20代女性)に話を聞くことが出来た。

当日、地下鉄4号線の梨泰院駅周辺はそれほど人通りは多くなったという。駅周辺の大通りには警備スタッフがいて、通行をコントロールしていたが、事件現場近くの「世界飲食文化通り」にはそれがなかった。現場付近では「有名人が来る」という情報は巡っていなかった。

「世界飲食文化通り」は1時間前(9時45分頃)にはすでに大混雑。彼女自身は友達といっしょに悪魔風のコスプレをしていったが、もはやこれを見てもらったり、周囲の人達と写真を撮影しあったりする状況にはなかった。

確かに事故発生の1時間以上前にも現場で大声が挙がっていた。

「押さないで」という韓国語での声。

「Oh My God」「Panic!」という外国人の声。

当初はまだまだ場を面白がっているような雰囲気だった。しかしある瞬間から、だんだん深刻な声に。混雑から危険を察した人たちがそこを抜け出そうと動き始め、人が押し合う状態になっていったように感じた。

大通りへの抜け道となる事故現場付近に向かって、その時から特に人が集まっていく印象だった。

彼女自身も身の危険を感じ、脱出を試みた。なんとか抜け出せた、という状況だった。

以下が留学生本人提供の「1時間前の様子」の動画。たしかに動画の9秒あたりから一気に人の流れが一定方向に向いていたことが分かる。

現地のテレビは朝から「関連ニュースの報道一色」なのだという。

各メディアは「梨泰院惨事」という名称をつけて事故を報じている。

現場には143台の救急車が駆けつけたほか、梨泰院周辺にいた人たちが帰宅できるよう臨時の深夜バス・地下鉄の運行を行った。

30日10時には尹錫悦大統領が緊急会見を実施。哀悼の意を表するとともに「事態の把握を国家の最優先事項にする」「負傷者の回復に全力を注ぐ。担当部署の公務員を各負傷者にひとりずつ付けてでも対応する」と発表した。

韓国では今回の事故を歴史的大惨事として捉える流れになってきている。

韓国ソウルの群衆事故で日本人留学生2人の死亡が確認されたことが30日、明らかになった。日本の外務省によると、北海道根室市出身の冨川芽生さん(26)と18歳女性とみられる。日本大使館が詳しい状況やほかに邦人被害者がいないか確認を急いでいる。

冨川さんは以前から「韓国語を使って日本人向けにいろいろやりたい」と話しており、今年6月から現地に語学留学中だった。父親の歩さんによると、29日午後7時ごろ、冨川さんから「フランス人の友人と出かける」という連絡を受けていたが、行き先は聞いていなかったという。30日朝になり携帯電話にかけたがなかなかつながらず、何度も続けるうちに現地の警察官が出て「現場に落ちていた」と説明された。

その後、日本の外務省に写真を送るなど連絡を取り合い、午後5時ごろ「指紋で確認された」と伝えられた。歩さんは「ひどい事故だ」と声を落とした。現地へ向かう準備をしているという。

梨泰院はコロナ禍で話題となったドラマ「梨泰院クラス」の舞台となっていて「コロナが落ち着いたらロケ地に行ってみたい」と訪問先として日本人の間でも人気が高まっていた。ドラマをきっかけに現地を訪れた人は事故当日もいて、神奈川県寒川町の女性会社員(37)は「ドラマの雰囲気を味わいたかったが、規制線があって物々しい様子だ」と不安そうに話した。

 

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